【風営法改正】何が変わる?法改正後の影響と必要な対策について

2025年の風営法改正では、主にホストクラブや風俗スカウトに対しての罰則が厳格化されました。こちらの記事では風営法改正で何が変わったのか、それによる影響や対策について解説しています。

【風営法改正】何が変わる?法改正後の影響と必要な対策について

2025年6月28日に風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)が大幅改正され、同年11月には一部規定が追加施行されることが発表されました。

風営法改正は水商売・風俗業界に大きく影響します。特に、ホスト・キャバクラ・ガールズバー・クラブ・スナック・性風俗店などで働く人にとっては重要なことです。

こちらの記事では、風営法改正で何が変わったのか、法改正後の影響と対策についてご紹介します。

【風営法改正】何が変わった?

⇩簡単解説⇩
NG①:「色恋営業」の禁止
NG②:「売上ランキング」などの広告禁止
NG③:無理な「売掛」などの禁止
NG④:「スカウトバック」の禁止
NG⑤:メンズエステ等「無許可営業」の禁止
NG⑥:重大な違反歴(過去含む)のある店舗の「営業」停止

風営法は昭和23年に制定され、これまでに30回以上の改正を行ってきました。

今回の風営法改正では、主に売掛金問題や色恋営業問題のあるホストクラブ。そして風俗スカウトといった、近年で社会問題化した「特定業種」への対策がなされています。では、より詳しい内容を見ていきましょう。

改正①接待飲食営業に係る遵守事項・禁止行為の追加

接待飲食営業に係る遵守事項・禁止行為の追加
▶ 次の行為を接待飲食営業を営む風俗営業者のしてはならない行為(遵守事項)として規定

• 料金に関する虚偽説明
• 客の恋愛感情等につけ込んだ飲食等の要求
• 客が注文していない飲食等の提供

▶ 次の行為を接待飲食営業を営む者に係る禁止行為として規定(罰則あり)
• 客に注文や料金の支払等をさせる目的での威迫
• 威迫や誘惑による料金の支払等のための売春(海外売春を含む)、性風俗店勤務、AV出演等の要求

引用:警察庁Webサイト「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(概要)」

客の恋愛感情等につけ込んだ飲食等の要求というのは、【色恋営業】のことです。ホストクラブに多く、例えば、利用者に対して「好きだから会いたい」といった甘い言葉を使いお店に呼び込んだり、「このドリンク(高額シャンパン)を入れてくれないと関係が終わるよね」といった、相手の恋愛感情に不安を煽るような行為を指しています。なかには虚偽の料金説明をしたり、結婚詐欺のような形で言葉巧みに騙すような人もいるでしょう。

こうして支払えない金額のドリンクを注文させたあと、代金は「売掛金(ツケ)」という後日支払う形にして、利用者側の借金が積み重なり、厳しい取り立てなどのトラブルが急増していました。

そして、この流れでとくに問題視されていたのが、性風俗店やAV出演などの要求です。「払えないなら風俗で働いたら」などといった、事実上の売春にあたる発言をするケースも社会問題となりました。

こういった背景から、2025年の法改正では『禁止』や『排除』という強い法規制が導入されました。

カゼ男
違反者には懲役6カ月以下または100万円以下の罰金が科せられます。もちろん、従業員個人も摘発対象です。

改正②広告規制の強化

今回の風営法改正に伴い、特に接待飲食営業(ホスト)の看板広告についても規制がなされました。

(1) 接客従業者の営業成績を直接的に示す文言の表示
例:「年間売上〇億円突破」、「○億円プレイヤー」、「指名数No.1」、「億超
え」、「億男」

(2) 営業成績に応じた役職の名称等の営業成績が上位であることを推認させる文言
の表示
例:「総支配人」、「幹部補佐」、「頂点」、「winner」、「覇者」、「神」、「レジェン
ド」、「新人王」

(3) (1)及び(2)以外の「ランキング制」自体の存在、接客従業者間での優位性を裏
付ける事実等の接客従業者間の競争を強調する文言の表示
例:「売上バトル」、「カネ」、「SNS総フォロワー数○万人」

(4) 客に対して自身が好意の感情を抱く接客従業者を応援すること等を過度にあお
る文言の表示
例:「○○を推せ」、「○○に溺れろ」

引用:警視庁Webサイト「接待飲食営業における広告及び宣伝の取扱いについて(通達)」

街中の看板やアドトラックを見ると、売上や役職に関する文字が黒塗りでつぶされていたり、「すごい人!」のような感じで文字が変わっていることも分かります。

過剰な広告や謳い文句は目を惹く代わりに、利用者の正常な判断を鈍らせたり、キャスト間でのランキング制によって起こる売掛や色恋のトラブルにも大きく影響するため、今回の通達が実施されたようです。

改正③性風俗店によるスカウトバックの禁止

性風俗店によるスカウトバックの禁止
性風俗店を営む者がスカウト等から求職者の紹介を受けた場合に紹介料を支払うこと(いわゆる「スカウトバック」)を禁止(罰則あり)

引用:警察庁Webサイト「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(概要)」

悪質なホストクラブの流れから、「性風俗店によるスカウトバックの禁止」も強化されました。スカウトバックとは、【性風俗店が求職者を紹介してくれた相手に対して対価を支払うこと】です。ホストへの売掛金などを理由に風俗で働く女性は一定数います。

とはいえホストだけでなく、女性を誘導し風俗店やAVに紹介するスカウトに関しては以前から問題視されていて、最近でもいくつかのスカウトグループを摘発するなど、警視庁も大きく動くようになってきました。

スカウトは職業安定法違反
スカウト行為は職業安定法に記載されている『職業紹介におけるあっ旋』に当たります。違反行為をした場合はスカウトバックを受け取った側に対して、1年以上10年以下の懲役または20万円以上300万円以下の罰金が科されることになります。

改正④無許可営業等に対する罰則の強化

風俗営業の無許可営業等に対する罰則の強化
(2年以下⇒5年以下の拘禁刑、200万円以下⇒1千万円以下の罰金)
両罰規定に係る法人罰則の強化(200万円以下⇒3億円以下の罰金)

引用:警察庁Webサイト「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(概要)」

風俗には非風俗メンズエステという業種がありますが、一部マンションなどで違法に性的サービスを提供している悪質なお店もあります。こういった風俗営業許可の届出を出していない【ルーム型メンズエステ(マンション型)】【リラクゼーションサロン】といった業種も、罰則強化されました。

この改正の中には『名義貸し』も組み込まれていて、許可取得するために名義だけを貸して、実際は別の人が運営しているという場合の罰則も強化されています。

メンズエステはグレーゾーンとも言われていて、今回の法改正に伴い、運営者は営業形態の見直しなどが必須となります。

改正⑤風俗営業からの不適格者の排除

風俗営業からの不適格者の排除

▶ 次の者を風俗営業の許可に係る欠格事由に追加
• 親会社等(A:親法人、B:兄弟法人、及びC:子法人)が許可を取り消
された法人
• 警察による立入調査後に許可証の返納(処分逃れ)をした者
• 暴力的不法行為等を行うおそれがある者がその事業活動に支配的な影響
力を有する者

引用:警察庁Webサイト「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律の一部を改正する法律(概要)」

※2025年11月28日~施行

風俗営業をするうえでの適格性審査も厳格化されました。

これにより、風俗営業を行っている人が過去に重大な違反歴があったりした場合に、親会社・グループ会社含める系列全体が5年間営業できなくなります。重い罰則になるため、これまで以上に従業員の身元や背景を調べることが必要になり、きちんと管理していくことが重要になります。

こういった行政処分から逃れるために、許可返納や名義切替などの抜け穴を使う人もいますが、今回の法改正では新規定が設けられているため、処分は逃れられません。

法改正後の影響と必要な対策

風俗業界での当たり前が、これからは通用しなくなる時代です。ホストクラブ・キャバクラ・ガールズバーなどの接待飲食業に関わらず、性風俗店でも法改正に基づき適切に見直しを行う必要があります。

運営管理の徹底

具体的には、従業員への教育、社内ルールの整備、日々の業務の見直しです。行政による立入検査も増えるため、帳簿や営業記録を正確に残しておくことが求められます。

法改正に伴って社内マニュアルを改訂したり、必要な手続きがあればすぐに対応しましょう。今後は「違反を起こさない仕組みづくり」と「従業員とお客様の安全確保」がこれまで以上に重要になります。

人材・集客方法の見直し

スカウトを介して集客していた場合、人材の集め方や集客方法を見直さなければなりません。また、従業員の管理もより厳しく行う必要があります。

違反が発覚すれば、営業停止や刑事処分の対象になる可能性があるため、法律に詳しい専門家による定期的なチェック・アドバイスを取り入れていきましょう。

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利用者側への対策

お店を利用する側に対しての本人確認も厳格にする必要があります。特に性風俗店は未成年者の可能性も考慮し、安全性を優先しましょう。

カゼ男
利用する側としては、「営業許可があるか」「安全対策がされているか」を確認し、信頼できるお店を選ぶことが大切です!

まとめ

今回の風営法改正は、ホストクラブやキャバクラ、ガールズバー、そして性風俗店など、水商売・風俗業界にとってとても大きな変化です。

これまで「当たり前」とされてきた色恋営業や売掛、スカウトバックなどが禁止され、無許可営業や不正経営にも厳しい罰則が加わりました。厳しくなった一方で、働く人や利用する人が「安心・安全に関われる環境」を作るための大切な一歩でもあります。

今回の改正で、業界全体がこれまで以上にクリーンで安心できる方向へ進んでいくことが期待されます。ルールを守りながら、健全に楽しめる業界にしていくことが、皆さまにとってのメリットにつながるはずです。

カゼ男
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すね毛30cm

風俗ライター3年生。ツラミ・イチボ・ミスジ・ハネシタ。牛と戦うこと(焼肉)が大好きです。最近の特技は、階段を踏み外すこと!よろしくお願いします!